子供が習い事で音楽教室・ピアノ教室に通い始めるとこんなお悩みが出てくるのではないでしょうか。
- どう練習させればいいのかわからない
- 練習がうまくいかず子供が練習を嫌がる
- 練習に付き添っているとイライラしてしまう
音楽教室で講師をしていた頃もこのお悩み相談はよく受けました。
ピアノを続けるには練習は必須ですが、子供に練習をしてもらうにはいろいろ工夫が必要で親も大変ですよね。
幼児期のピアノの練習で大切なのはズバリ、聴くことと歌うことです。
聴くことと歌うことを繰り返していくと、子供が勝手に弾いてくれるようになります。
実際にわたしも今5歳の息子にピアノを教えていますが、歌えるようになると「弾きなさい」と言わなくても勝手に弾き始めます。
この記事では幼児期でのピアノ(楽器)の練習方法を教えます。
この記事を読むと、親がイライラせずに子供が練習してくれる練習方法がわかります。
ぜひおうちでの練習の仕方の参考にしてくださいね。
この記事を読むのにおススメの方
注意:お子さまにプロの音楽家を目指してほしい方にはこの記事はおススメしません。
【年長さんでどのくらい弾ける?】幼児期につけたいレベルとは

あなたはお子さまに小学校入学前にどの程度ピアノ(楽器)が弾けるようになっていてほしいと思っていますか?
具体的に「この曲が弾けるようになってほしい」というイメージがある方もいらっしゃれば、「逆にどの程度弾けていれば普通なの?」と疑問に思っていらっしゃる方もおられるでしょう。
元音楽教室講師のわたしとしては、次の5点の力が身についていれば児童期でも練習しやすく、上達速度も上がっていくと思います。
両手で弾くことができる
ピアノ(鍵盤楽器)であれば両手で弾ける力は身についていてほしいですね。
知っている童謡(チューリップ、ちょうちょう)や定番の曲(ロンドン橋、こいぬのマーチ)などが両手で弾けるようになれば、子供も大満足でたくさん弾いてくれますよ。
どんなに難しい曲を弾いていても、やはり片手だと物足りないですし、曲の完成度としては低いです。
入門~初級レベルの楽譜を両手で弾くことができれば、十分な力が身についているといえるでしょう。
さまざまな高さで弾くことができる
ピアノ(鍵盤楽器)では、最初は「ドレミファソ」の高さで弾くことが基本ですが、徐々に「ソラシドレ」や「ファソラシド」などのさまざまな高さで弾くようになります。
黒鍵(黒い鍵盤)も使用するようになります。
楽譜に調号(♯や♭)がつくことでその曲の中で決まった音を黒鍵で弾くことになりますが、調号が1つの曲を弾くことができれば十分であると思います。
高さが変わると最初は混乱しますが、調号が1つの曲ならば自然と必要な音が黒鍵で弾ける程度に慣れてくれるとよいでしょう。
16小節程度の曲が弾くことができる
例えばちょうちょうであれば16小節で40秒ほどの曲ですが、その程度の曲が弾くことができれば十分です。
ポイントは止まらずに、間違えずに弾き切るということです。
音楽は途切れていたり、違う響きになってしまったりするとやはり聴いていて満足感が得られません。
大きくなって弾く曲が長くなったり、難しくなったりすると、「間違えてもいいから、とにかく止まらずに弾き切りなさい」と言ったりもしますが、基本は間違えないように練習します。
幼児期の子供であれば、まだ集中力は長くは続きません。
ましてやピアノ(鍵盤楽器)で、両手で止まらずに間違えずに弾き切るためにはかなりの集中力を要します。
ですから難しくなくていいので、子供も「止まらずに間違えずに弾けた」ということに満足感をもって、そのように弾けるようになるまで練習することが普通になってくれるとよいと思います。
自分の好きな曲のメロディーが弾くことができる
これは両手で弾くことができることと反することを言っていますが、子供の満足感でいうと大きく占める部分となっています。
大人もそうですが楽器を演奏する人は、たいてい自分の好きな曲を演奏してみたいのです。
子供もとても難しい曲であっても、自分の好きな曲であれば弾いてみたいと思って練習に意欲的になります。
好きな曲はたくさん聴く。
聴いた曲を楽譜を読んだり、歌ったりしながら何となくドレミを当てはめて覚えていく。
そして自分で鍵盤を探りながら弾けるようになっていく。
これが楽器を演奏する方法の基本になっていくとても大事な力です。
もちろんプロの音楽家であればまた違ってきますが…。
大きくなり、両手で弾くことに慣れていけば、メロディーだけ弾けていた曲をやはり両手で弾きたいとチャレンジしてくれますので、幼児期では片手で十分です。
音符の高さが読める(わかる)
ト音記号(主に右手で弾く部分)・ヘ音記号(主に左手で弾く部分)の五線譜内の高さがパッとわかると、児童期になってからの子供の練習の負担がグッと減ると思います。
子供によって得意な子もいますが、幼児期の後半になってもなかなか覚えられない子もいます。
これはひらがなを覚えるように、繰り返し読んだり書いたりして覚えるしかありません。
教室や先生によって教え方もさまざまですので、先生の指導に従いながらワークなどで力をつけていってください。
【嫌がらずに練習してくれる!】幼児期のピアノの練習方法
ここでは具体的にどのような練習方法を取り入れるとよいかをお伝えします。
まずは練習環境を整える

練習環境を整えると子供が勝手に弾いてくれるようになります。
普段おうちの方がいる場所から離れた場所や、空調が簡単にコントロールできない場所に楽器を置いていませんか。
そんな場所に行くというだけで練習へのハードルが上がります。
「リビング学習」という人気の学習方法がありますが、ピアノにおいても同じです。
幼児期においてはリビング、またはそれに近しい場所に楽器を置いてあげるとよいでしょう。
わたしの家では、玄関から入るとすぐ左手に扉の開いた部屋があり、ふたの開いたピアノが見えるようになっています。
するとふしぎふしぎ!園から帰った5歳の息子はピアノに直行して、立ったまま弾き出すのです!
(それはそれで「手を洗ってから座って弾きなさーい」となるのですが)
楽器に合わせて家を選んでいるわけではありませんので、ご家庭の事情でリビングに置くのが難しい方もいらっしゃると思います。
幼児期の間はリビングに置きやすいサイズの楽器を検討したり、扉を開ければ音色が聴こえる、会話ができる距離の部屋に置いたり…
とにかく目に触れやすい場所に、そして音を出せる時間帯にはふたが開いている(鍵盤が見えている)状態にしておくのがベストです。
お子さまが弾きたいと思った時にすぐに弾けるように環境を整えてあげてください。
導入期~初期は大人が付き添う

習い始めたころは、練習する際には必ず大人が付き添ってあげてください。
これがかなりハードルが高いことは重々承知ですが、とても重要なことです。
なぜなら、幼児期の子供がレッスンでやったことを全て正しく覚えるのは不可能だからです。
加えて、ピアノの前に座っても何をどう練習したらよいかわかりません。
一緒に楽器の横に座って、「何の曲から練習しようか」「どこを弾いたらいいかな」と声掛けをしてあげてください。
ポイントは親が教えるのではなく、レッスンを思い出させる声掛けをすることです。
もちろん声掛けをしても思い出せない場合は、「こうかな」と弾いてみせても大丈夫です。
ですが、最初から教え込んでしまうと、子供は自分で考えて弾く力が定着せず、自分で勝手に練習してくれるまでに時間がかかってしまいます。
レッスンに同席しておらず練習する内容がわからない場合は、先生からどんなレッスンをしたかを聞くようにして下さい。
幼児期でこの時間を設けるのを嫌がる先生はあまりおススメできません。
ちなみに今8歳の息子は6歳半のころには「一人で練習する」となりましたし、5歳の息子は今は歌と苦手な曲だけ練習に付き合っています。
目安として1年半ちょっとかなあと思ってみてください。
たくさん聴かせる

練習方法として取り組みやすいことの一つはたくさん聴かせることです。
聴くことによって曲を覚えますし、曲を好きになってくれます。
「おかあさんといっしょ」という番組では毎月決まった歌が毎日流れます。
月初めに新しい曲が流れてしばらくは、私の末っ子の娘はぽかーんとその曲を聞いています。
しばらくたつと、「あっ!(この曲知ってる)」「また!(始まった)」
そして2週間くらいたつと一緒に口ずさんだり、踊ったりしています。
毎日聴くってすごいと、いつもこの効果に感心しています。
お子さまが遊んでいる時や、車に乗られる方は乗車中など、聴けるときにたくさん聴かせてみてください。
すぐに覚えて、練習に前向きになってくれますよ。
導入期は音源があるとは限らないのが難しいところですが、今はyoutubeなどでも音源を探せますのでチェックしてみて下さい。
メロディーをドレミで歌えるようにする

メロディーをドレミで歌えるようにすることはとても重要な練習です。
幼児期の子供にはまだ楽譜を読んで弾くということは難しいからです。
じゃあどうやって弾く練習をしたらいいかというと、メロディーをドレミで歌って覚えて弾くのです。
メロディーをドレミで歌う練習は聴かせることと同じく取り組みやすい練習です。
なぜなら楽器がなくてもできるからです。
本来は楽器や音源に合わせて正しい音の高さで歌うことが、正しい音感をつけるためには重要です。
しかし、幼児期の子供を育てるご家庭においてそのような時間をとることが難しいのも事実ですよね。
ですから楽器がなくてもOK!
とにかく歌えるようにすることを優先させましょう。
わたしは歩いて登園する時や、料理や掃除などの家事の際に子供の練習中の曲を歌います。
(ここでなるべく正しい高さ、音程を心がけてください(^^;))
とにかくエンドレスにです。
するといつの間にか一緒に歌い始めます。
幼児期の子供の曲は短い曲が多いので、エンドレスに歌っていればあっという間に覚えることができますよ。
鍵盤を覚える導入期が終わっていれば、あとは簡単!!
勝手に弾いてくれます。
新しい鍵盤を覚える曲や指使いを工夫する曲の時には大人のフォローが必要ですから、付き添ってあげてくださいね。
練習する日・時間を決める

練習する日(曜日)と時間を決めてみましょう。
理想は毎日練習することです。
そのほうが結果的には短時間で済むからです。
しかし、ご家庭の事情によってどれだけ練習時間を確保できるかは変わってきますよね。
ですから、ご家庭によってルールを決めて、それに従って取り組むとよいでしょう。
例えばわたしの家庭では、お父さんがお休みの日は練習もお休みです。
つまりは週に5回程度は練習します。
そして歌も合わせてだいたい15分を目安に練習しています。
鍵盤の前に座っているのは10分程度です。
「他の習い事の日はお休み」「〇曜日は帰るのが遅いからお休み」でもよいと思います。
音楽教室の講師をしていた際には、フルタイムで共働きで忙しく、平日は練習できないという方もおられました。
週に2回の練習では思い出し作業に時間がかかり、結果的に長時間の練習になってしまいます。
幼児期の子供に長時間集中力を持続させるのは難しいですし、親もイライラしてしまいがちですからおススメはしませんが、家庭によっては致し方ないとも思います。
朝昼夕10分ずつに分けたり、曲ごとに練習したりと工夫してみてください。
せめて歌だけでも、できれば毎日歌っておくとよいでしょう。
練習する回数を決める

ある程度弾けてきている曲であれば、子供に「あと何回弾く?」と練習回数を決めさせるのもよいです。
丁寧な練習には向いていませんが、とりあえず数をこなすことで最低限の「止まらずに弾く」という部分はクリアできるようになります。
子供が練習に気が乗らない時や、集中力が切れてきたと感じる時におススメです。
「あとこれだけがんばれば終わり」と先が見えることで、もうひと踏ん張りすることができるようです。
「あと〇回弾いたら終わっていいよ」と声掛けをして離れることもできるので、大人がどうしても時間がない場合にもこの方法を利用できます。
もちろん時間がある場合には近くで聴いてあげてくださいね。
たくさんほめる
練習の際にはお子さまのよいところを見つけ、たくさんほめてあげてください。
これもなかなか難しいですよね。
ついできていない部分に耳が行きがちです。
でもほめるポイントは意外にあるものです。
「上手に座れているね」「背筋がピンと伸びていてかっこいい」「足がぶらぶらしていないね」
「手の形がきれいだね」「準備する高さをよく覚えていたね」
「音の強さがちょうどよかったね」「速さがこの曲にピッタリだね」
「ここを先生が弾いていた通りに弾けたね」「止まらずに最後まで弾けたね」
などなど、「上手に最後まで弾く」以外のたくさんのよいところを見つけ、具体的にほめてあげてください。
ほめられると抵抗なく繰り返し弾いてくれますよ♪
練習に気が乗ってきたら、できていない部分をできるようになるよう取り出して練習するのも忘れずに。
普段聴いてもらわない人(おじいちゃん、おばあちゃんやお友達、いとこ)などに聴いてもらうのも、ほめることと同じく効果的だと思います。
【これはNG!】楽譜を読ませて練習させようとする

子供が練習を嫌がる原因は何でしょうか?
遊びを優先させてしまうなどの原因もあるとは思いますが、
この2点が主な原因だと考えられます。
鍵盤把握は回数の問題ですので、弾く回数が増えるほどできていきます。
問題は楽譜が読めないことです。
そう!幼児期の子供は楽譜が読めないのです。
楽譜というものは大人が思うより子供にとっては複雑です。
例えワークなどで高さやリズムを習ったとして、それを覚えるにも積み重ねが必要ですし、何通りもある高さとリズムの組み合わせから正しい音楽を導き出すのは相当な訓練が必要になります。
それを理解していないと、まず楽譜を読ませることに躍起になってしまい、子供も大人もイライラ。
練習を嫌がったり、音楽教室をやめてしまったり、最悪のケースでは音楽自体が嫌われてしまうこともあります。
ですから、わたしは幼児期においては「読んで弾ける」ということにあまり重きを置いていません。
非効率的ですし、子供にとっても大人にとってもストレスが大きいことを理解しているからです。
プロの音楽家を目指すのであれば別です。
しかし、趣味程度に弾けるようになってほしいのであれば、最初は楽しく簡単に弾けることが重要だと思うのです。

そこで大切にしてほしいのが、聴くことと歌うことです。
とにかく弾かせなくてはと後回しにされがちですが、たくさん聴いて、たくさん歌って、その曲を覚えて好きになってくれることが、「勝手に練習してくれる」への近道です。
楽譜を読むことができれば一人で練習できますから、早く読めるようになってほしいという気持ちもわかります。
ですが、そこは繰り返しますが積み重ね。
長い目で見てあげて、幼児期の間は練習に聴いたり歌ったりを取り入れてみてください。
もちろん楽譜のことが全くわからないまま児童期を迎えるのは困ると思いますので、【年長さんでどのぐらい弾ける?】幼児期につけたいレベルとは の項目にあるように、
ト音記号(主に右手で弾く部分)・ヘ音記号(主に左手で弾く部分)の五線譜内の高さがパッとわかる
を目標にワークなどで繰り返し学習し、必要な知識を身につけていきましょう。
とはいえ、楽譜は読めないけれど耳で聴いて弾けるという能力がついていれば、それはそれですごいとわたしは思いますが…。
わたし自身も小さい頃は楽譜を読むのは苦手でしたが、好きこそものの上手なれで、音楽の道を目指すうちに自然と読めるようになりました。
きちんと読めるようになったのは高校生くらいの時かと思いますので、読めないことで悩まれている方はご安心くださいね。
【聴こう!歌おう!】勝手に練習してくれるお子さまに育てよう

この記事では幼児期のピアノ(楽器)の練習方法を紹介しました。
幼児期では特に聴くことと歌うことが大切であるということがわかっていただけましたか?
ピアノの指導方法は先生によってさまざま。
ですから練習の方法で悩まれた際には、まずはお子さまの先生に相談されることが一番です。
中には読むことに力を入れている先生もいらっしゃいます。
そのような先生の場合には歌えてしまってから弾く練習方法を否定される可能性もあります。
読んで弾く力がつきませんとおっしゃるかもしれません。
しかし、読んで弾くことがストレスになってしまう子供も多いと思いますので、先生の指導の仕方がお子さまに合っていないと感じる場合は、教室や先生の変更を検討されてもよいと思います。
楽譜を読めなくてはピアノを弾いてはいけないなんてことはありませんからね。
楽譜を読めるようになる訓練は、指導者にとっても課題ですので、わたしも常にどういった流れで指導していくのがわかりやすいか考え続けています。
でもせっかく習い事にピアノを選んだなら、幼児期にはたくさん聴いてたくさん歌って、まずは音楽を好きになってほしいと思います。
そして自分から勝手に練習してくれるお子さまに育てましょう!